事業理念
ご挨拶

自然環境教育機構株式会社
代表取締役
三宅 基之
(Miyake Motoyuki)
◆プロフィール◆
1965年2月21日
2005年
2008年
2015年
2019年
2020年
2022年
2023年
奈良県生まれ
四国学院大学卒業
シャディ株式会社入社
地域の学び推進機構 副代表
NPO法人奈良地域の学び推進機構 設立理事
東京学芸大学こども未来研究所 フェロー
奈良教育大学地域・教育連携室 委員
放課後まほらboチーフマネージャー
自然環境教育機構株式会社設立
東市まほらboプロジェクトマネージャー

僕の物語
ある日、僕は気づいた。
世界は変えられる。
それは、強く願うことからはじまる。
1990年
「21世紀に生きる君たちへ」のメッセージに
僕の心は、熱くなった。
人間は自然の一部であるという感覚と、他者と共に生きることを大切にする感覚は
努力し訓練して獲得するものだという司馬遼太郎のアドバイスに。
2000年
「新しい学力観」に僕は強く惹かれた。
「生きる力」とは具体的に何か、
これから僕たちにはどんな生き方が求められるのか、深く考えるための問いが芽生えた。
生まれてくるときは「親」を選べない。
家も場所も選べない。
人は生まれたときから、不平等と理不尽に向き合いながら生きる。
でも、変化のチャンスはある。
それは、学ぶこと。
だからこそ「より良い学び」を強く願う。
2000年3月
「春休み学び方講座」を地元中学校区の小学6年生対象に実施した時のこと。
算数・英語を学校の授業にはない体験的プログラムで企画した。
3日間の講座が終わり、挨拶をした時
1人の男の子が帰り支度をしながらしみじみと
「来てよかったぁ」とつぶやきながら帰った。
その言葉を、共に講座を企画した指導主事とかみしめた。
「これやな、学校へ来てよかったと思って帰る、そんな学びの場にならないと」
翌年から校舎に大きな垂れ幕が下がった。
「きょう来てよかった、都南中」
思えば、この一言が今の僕の原動力になった。
出会えてよかったと思える「学び」の探求を始めて、四半世紀。
「まほらbo」は、その一つの答え。
学び方を学ぶ。
子どもの生活を基盤にした学びこそが、
僕にとっての「遊びは、最高の学び!」
それが、子どもの学ぶ意欲とスキルを育てることにもつながる。
どの子にも、輝く笑顔と、学ぶ喜びを!
僕は、いつも強く願っている。
私たちの目指すもの

大量生産大量消費の欲望の果てに
異常気象、環境破壊
貧困、戦争、差別、格差・・・
現代社会にはたくさんの”ひずみ”があります。
今まさに、一人ひとりが「どう生きるか」を問われています。
そのヒントの一つとして私たちが注目するのは、
「エコソフィ」という考え方です。
エコソフィってなに?
「エコソフィ」という言葉は、ノルウェーの哲学者アルネ・ネスが提唱した、生態学という意味の"ecology"の接頭語”eco”と、
哲学という意味の”philosophy”の「洞察・知恵」を表す接尾辞"sophy"
を組み合わせた合成語です。
ネスは、人間が自分の存在を世界の外側に置き、自然を保護する対象ととらえる人間中心的な考え方を否定しました。
自らを世界の内側に置き、自然体験を繰り返していく中で自分が生態系の一部であること、すべての生命がそれぞれに大切な存在であり、自分と密接にかかわっていることを自覚するのが重要であると説きました。
つまり、生態系を知ることが「生き方を学ぶ」ということにつながるのです。
そしてそのような自意識の目覚めが、一人一人の実践を促し、それが持続可能なよりよい社会を実現するといいます。
日本にも息づくエコソフィ
ネスがエコソフィを提唱したのは1970年代のことですが、
日本にも古くから自然を敬愛し自然と共に生きていく精神がありました。
東大寺華厳宗には、生きとし生けるものはすべて深くかかわりあっていて、人間は「自然と共に生きる」ものだという「生き方」の教えがあります。
(東大寺長老 筒井寛照)
私たちが目指すのは、「まほら」です。
日本の古語で「住みよい場所、素晴らしい処」を意味します。
調和のとれた、誰もが生きやすい世界。
発展というくびきから解き放たれた先の「まほら」。
この言葉からわかるように、ウェルビーイングの考え方は古来から日本人の文化に息づいていたのです。
この「まほら」を教育の目標に置くことで、子どもの成長の素地を整えることができます。
「遊びは、最高の学び!」

「まほら」の実現には教育が重要です。
私たちはエコソフィの考え方と、生活や自然体験の中の遊びから得る学びに着目しました。
子どもたちの感性は素晴らしいもので、体験を通して実際に触れたり観察したりして多くのことを敏感に感じ取り、それぞれに自分の力で「世界」をとらえていきます。
子どもが得た知識や概念は、自然と人間との関係にとどまりません。
私たち人間同士の関係においても、すべての人が互いを尊重し、気持ちよくみんなで生きていくためにはどうすべきか、考えるようになります。
生物多様性教育は究極の人権教育であるともいえます。
地球史46億年の中で生成された生態系・エコシステムへの理解は、人間の生き方の根幹につながります。つまり科学知識と共に養われたエージェンシーは、人としての素地を整え、新しい世界を創るための行動変容を生むのです。

これからは生物多様性教育が重要な役割を果たします。
幼児教育、義務教育課程、放課後活動等その根幹に、エコソフィが必要です。
子どもたちが子どもたち自身で作る「まほら」を、もっともっと世界に広げていきたい。
そして、子どもたちと一緒に見つけ出した新しい学び方や生き方をより多くの人と共有し、さらに良い世界を創っていきたい。
生態系を学び科学の知識をもって、正しい選択をする「生き方」を身につける。そんな生物多様性とエコソフィを合わせた教育を、私たちは「まほら教育」とよびます。
「世界は変えられる」と、子どもたちが信じて生きていける社会を創る。
それが「まほら教育」の目指す世界です。